tawagoto9776Kayama’s diary

60歳から1年後に会社を退職し、登山、ジョギング、キャンプ、料理等々の執筆を始める。

トランスジャパンアルプスレース(TJAR)3 仙丈ケ岳

61歳のたわごと No. 7
(前回61歳のたわごとNo.5と記載しましたが、No.6の誤りで、今回はNo.7となります。お詫び申し上げます。)


トランスジャパンアルプスレース(TJAR)3 仙丈ケ岳
 8月12日(日)に帰宅した後、8月13日(月)は待機して(別の私用もあった)、
8月14日(火)の早朝一番早い電車に乗り、JR甲府駅へと向かった。そこから朝9:05発のバスにのり、広河原までは約2時間弱、そこからまた北沢峠(標高2032m)までのバスに30分弱ゆられ、ようやく仙丈ケ岳の登り口にたどり着いた。すでに午後13:00を過ぎている。

 南アルプスで登山を頻繁にする人にとっては、釈迦に説法であるが、そうでない読者も多いにいると思われるので、仙丈ケ岳について多少説明を加える。またTJARにおいて、仙丈ケ岳がどのような位置付けにあるのかも、少々説明したい。

 仙丈ケ岳南アルプスの北部に位置している山の1つで標高は海抜3033m、南アルプスの中でも3000mを超えるとは言え、比較的登りやすい山ではないか、と思われる。私的には南アルプスの中では一番登りやすく、比較的危険な個所も少なく南アルプス登山デビューにはお勧めの山である。ただし、1日で頂上まで行き下りてくるのはかなり体力がいるので、頂上までの途中にある山小屋である、“馬の背ヒュッテ(標高約2600m~2700mの間?)”若しくは“仙丈小屋(標高約2900m)”に1泊するのがお勧めである。健脚な人の中には、北沢峠で宿泊し、翌朝に仙丈ケ岳、また次の日に甲斐駒ヶ岳(又はその逆)を登山する猛者がいるが、体力に相当自信がある人でないと、1日では登り切れない。

f:id:tawagoto9776Kayama:20180825095008j:plain                              仙丈ケ岳山頂、山頂直下に見えるのが仙丈小屋

 

 私は今回が2度目の仙丈ケ岳登山になるが、前回登山したと時は、運がよく快晴に恵また。天気が良いと、他の低山の登山時には観ることができない素晴らしい景色を拝むことができる。今回も馬の背ヒュッテに泊まった翌朝早い時間帯は、非常によく晴れていた。(写真は朝早い時間帯の仙丈ケ岳頂上付近)

 この仙丈ケ岳であるが、TJARにおいて後半の最後の難関である南アルプスの初めの山であり、ちょうど選手は仙丈ケ岳の頂上を通過する。その前にすでに、富山湾に面した早月川河口の海岸から、北アルプス中央アルプスと経て相当体力をすでに消耗しているはずなので、ゴールまでたどり着くため、多少の寄り道ではあるが、仙丈ケ岳頂上直下にある、仙丈小屋に立ち寄り食事及び、多少休憩をして、それからまた走り出す選手が多いはずである。

 

 前置きはこのくらいにして、私は今回初めに“馬の背ヒュッテ”に宿泊したが、この山小屋はカレーが名物である。どこの山小屋でもカレーはよく出されることがあるが、山小屋以外のレストランで食べたカレーと比べても確かに味が良い。(腹減って食べているからそのように感じることもあるが。)また山小屋周辺から見る、甲斐駒ヶ岳(標高2967m)の脇から昇る朝日は絶景である。

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                   馬の背ヒュッテ小屋脇から眺める朝日、左脇の山は甲斐駒ヶ岳

 

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                                                   早朝の馬の背ヒュッテ

 

 前述のように、馬の背ヒュッテを出た早朝は非常に天候が良かったが、朝だけ天気が良いのは標高が高い山ではよくある話である。案の定、仙丈ケ岳の頂上に到達してあたりの素晴らしい景色を堪能していたところ、急に雲に覆われ、お決まりの雨が降り出した。

 

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                                                 雨の降りだした仙丈ケ岳の頂上


 レインウエアを着ていても少々寒くなってきた。当初の予定では山頂で走ってきた選手を激励する予定であったが、雨が止む様子もないので、一度頂上から少し下りた頂上へ向かうルートと仙丈小屋に下りる分岐点まで下り、あまりに雨が強くなってきたら、今晩の宿泊先である、仙丈小屋に避難するつもりでいた。しかし情報によると、そろそろトップの選手が来る頃だった。(今回からGPSの発信機を各選手が持って走るので、各選手の位置が誰にでもスマホを操作すると判るようになっていた。)

   しばらくその場で待っていたところ、TJARの出場選手を応援する他の人たちも山頂から下ってきた。この方たちは女性で、“TJARを応援しています” 的な看板まで腰にまとっている人がいた。そうこうしている中で、写真にある、近内京太選手が登山道から現れた。

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                                 頂上と仙丈小屋分岐点にトップで現れた近内選手

 

 頂上と洗浄小屋までの分岐点にたどり着いたトップの近内選手は迷わず、仙丈小屋
へ、大会運営スタッフに付き添われながら下って行った。その後の選手がこの分岐点に来るまで、まだ時間がかかるようなので、私もいっしょにこの日の宿泊予定でもある仙丈小屋に行った。到着した近内さんは、カレーライスを食べ、多少くつろいだ後にまた、TJARのコースへと戻っていった。この雨の中ご苦労である。

 

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                                                    仙丈小屋入り口付近

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                      雨の中仙丈小屋から仙丈ケ岳に通ずるコースに戻る近内選手

 

 雨の中、仙丈ケ岳に通じるコースに戻る近内選手を見送った後、この地点で2位の垣内選手が、仙丈小屋に入ってきた。近内選手と同じく垣内選手がカレーを食べてくつろいでいると、今度はNHK記者が小屋に入いってきて、垣内選手にインタビューを始めた。その脇でそのインタビューの内容を聞いていると、膝が痛い。昨晩寝ようとしたが寝ることができなかった、等々、大変な状況の中で走っていることがよく分かった。
  その後そのNHK記者とも少し話をした結果、その記者はどうも雨と風の中、仙丈ケ岳頂上付近で、約3時間、選手が来るのを待っていたようだった。頂上付近の気温を考えると、相当寒かったことであろう。またNHKではこのレースの模様をTVにて放映する予定がある、とその時に聞いた。いずれにしても、選手だけでなく取材するスタッフの方々も相当苦労されていることが、良く判った。

 

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                  仙丈小屋ないでくつろぐ垣内選手(中央付近で座っている選手)

 

 その後にも選手が時折、仙丈小屋に時折立ち寄って休憩していた模様であるが、私は、というと小屋2Fでくつろいで、本など読んでいた。選手の境遇を考えると、情けない。しかしこの中で“TJARを応援しています”的な看板を掲げた女性グループは、熱心に小屋に寄っている各選手を、その都度激励していったようである。彼女たちに私はただただ、頭が下がる。

 その次の早朝起きてみたが、まだ雨が降りしきっている。風もあり外は寒い。
朝食を食べた後に、雨がかなり降ってはいるが、予定通り仙丈小屋から下山した。
 下山途中も山の稜線は雨、風が酷かったが、途中で珍しいといわれる雷鳥親子にであった。よく見ることが珍しいとは言われるが、実は昨日も仙丈小屋に行く途中で雷鳥にでくわしている。一説によると、“人間が居る近くがむしろ雷鳥にとって安全である、と理解し始めている“とも言われている。

 

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                                                      親の雷鳥が写真中央でいる。

 

 その後朝9:15分ごろに北沢峠に雨の中たどり着いたが、北沢峠から9:45発のバスで広河原まで行き、そこでまたJR甲府駅行バスに乗り換えた。山岳地帯から下ると、天候は晴れであった。山での雨がうそのようであるが、良くあることである。
 それからJR甲府駅からTJARのゴール地点となる大浜がある、JR静岡駅まで、
身延線の電車で移動した。8月16日(木)の午後であった。

 

                                香川 潤(記)