tawagoto9776Kayama’s diary

60歳から1年後に会社を退職し、登山、ジョギング、キャンプ、料理等々の執筆を始める。

“未来の年表” 著者:河合雅司 を読んで

61歳のたわごとNo. 20

  “日本が少子高齢社会にあることは、誰もが知る「常識」である。だが、その実態を正確にわかっている日本人は、いったいどれくらいいるのだろうか?”
  この文章は、“未来の年表”はじめに の冒頭の文章である。

  最近の日本は人口減時代になっていることは、誰しもが認めることである。とNo.19でも記載したが、今の世の中において、その危機感がかなり足りないような気がしてならなかったが、この本の冒頭の文章を読んで、やはりそうなのか、
との思いを強くした。

 河合雅司氏の“未来の年表”は 2017年6月20日に第一刷発行され、第二弾の“未来の年表2”が2018年5月20日に第一刷が発行されている。
私は2冊とも本屋に本が出た直後に読んだが、読んだ時の衝撃が今も忘れられない。従って私がこのようにブログで書くより、この2冊の本を実際に読むほうが良いに決まっているが、とりあえず、私のブログにさわりだけでも記載し、この2冊を読むきっかけにしていただきたい。それでは以下に、本の内容の一部ではあるが、以下に本記載の一部を要約した形で、記載したい。

日本の総人口の激変
  国立社会保障・人口問題研究所「人口統計資料集」(2017年)よると、机上の計算では 2017年 人口が約1億2653万人、2065年に約8808人、100年後に約1380万人、西暦3000年にはなんと2000人にまで減る、となっている。机上の計算では、おそらく何の対策も行わなければ、100年後には国家として存続が危ぶまれるような状況ではなかろうか。

  しかしこのようなかなり先のことでは実感がわかないかもしれないので、直近の年代のことを、この本から特に引用すると、2020年には女性の2人に1人が50歳以上になると言い、一般的な母親になり得るとカウントされている49歳までの女性が女性の半数以下になる、とされている。

一人暮らしの増加
  また今の社会では一人暮らしの世帯が多くなり、2015年の国税調査では、一人暮らし世帯が34.6%、夫婦と子供世帯は26.9%との結果がでており、今もこの一人暮らし世帯が増加している傾向である。
  どうして一人暮らしがふえるのだろうか?
  それは子供と同居しない高齢者が増大したことが、大きな要因となっているようである。
 一人暮らしの世帯が増えている要因として、未婚者の増加もある。50歳までいちども結婚したこのとのない人の割合を示す生涯未婚率は、2015年には男性23.37%、女性14.06%となり、家庭を形成しない人々は珍しくなくなっている。
  また離婚されるカップルも増加しているようで、直近の2016年には21万6805組が離婚している。もちろん再婚する人もいるが、単純に計算すると婚姻数が62万523組のため、3組に1組が離婚していることになる。

  また、この一人暮らしの世帯が増えることは、社会のエネルギー消費効率から言っても、非効率である。つまり人口が減っても、世帯数が減らないため、社会一般的に使用されている、電気、水道等々のエネルギーの非効率化が進むことにもなる。

  そして2024年には3人に1人が65歳以上の「超・高齢者大国」になると言う。更に全国民の6人に1人が75歳以上、毎年の死亡者は出生数の2倍、老老介護が珍しくなくなるようである。

 以上が、“未来の年表”の前半部分からの抜粋である。“未来の年表2” は具体的に起こりうると思われる出来事について記載されている。

学校クラブでのチームが一校で組めない 
 人口が減り子供の数が減ってくると、学校行事も様変わりし、地方の運動会などでは、主役の児童より見学に来た親たちの人数が多くなる。
 また、クラブ活動の野球部においては、一校ではチームを組めずに、複数校で1チームを編成するために、ユニホームがバラバラになることもすでに、地方の学校では発生している模様である。(すでに起きているかもしれない)

空き家率が増加
 空き家率が30%を超えた地域は、急速に治安が悪化し、スラム化し始めるという説があるらしい。野村総合研究所の試算(2016年)では、2033年の空き家率は30.4%に達するというから、もしこの説に従うならば、2030年代の日本は東京も含めて、荒んだ風景が広がることが予想される。

貧乏定年者が増大
  日本の高齢化は、高齢者の絶対数が増えるだけではない。あなたの周りには、貧しい高齢者が目立ってくる。(私が現在契約社員として働いている地域ではすでにそのようになっているように思われる。)今後、低年金、あるいは無年金の高齢者が増えていくのはなぜだろうか。
  現在の40代以下の世代のなかには、“失われた20年”の影響で、思うような職に就けなかった人が多く含まれる。低収入で年金保険料を納めることができなかった人も少なくない。何とか年金保険料を支払ったとしても、厚生年金に加入していないので、将来の年金受給額が少ない国民年金となる。それも未納期間があったりする。
(注)“失われた20年”とは日本経済がバブル期終焉後である1990年代後半から約20年以上にわたり低迷した期間

  以上は具体的に起こると予想される出来事の一部であるので、本書を是非参願いたい。

これからできること
 最後にこの“未来の年表2”では「戦略的に縮む」ことを説いている。人口減少社会において、少子化が止まらない以上、それを前提として社会を作り替えていかなければならない、ということは当たり前のことである。これは日本の政府だけが取り組むべき仕事ではなく、個々人が将来に向けて備える必要があると思われる。


 今の国の年金制度の支給時期がより高年齢にならないと、支給されなくなる傾向にあることから、近い将来、個人年金保険に入るのが社会人の常識になるかもしれない。
 また、少子化、および未婚の人々が増えていくことから、先祖代々から引き継いできたお墓を継ぐ人がなくなり、墓じまいをする人の件数が、今後さらに増えていくかもしれない。またお墓の在り方自体も色々と変化してきている、と聞く。

 いずれにしても、自分自身の身の振り方を、以前より更に、考える必要がありそうだ。
                                                                                                                 香川 潤(記)

 

参考図書: 講談社現代新書 未来の年表 著者 河合雅司
      講談社現代新書 未来の年表2 著者 河合雅司