tawagoto9776Kayama’s diary

60歳から1年後に会社を退職し、登山、ジョギング、キャンプ、料理等々の執筆を始める。

山登り 1 登山靴 (私の靴選びの失敗)

                                                                                                    61歳のたわごと No. 13
 登山を行うに当り、登山靴、トレッキングシューズは必須なアイテムである。
 近年の登山ブームにあやかり、非常に多くの海外の登山靴メーカーが日本に進出してきている。しかし残念なことに、中には足型が日本人にあわないものもある。
 今回は、高額な登山靴を購入したにもかかわらず、私の足にあわなかった登山靴の話をしよう。

 

  • 登山靴の概要

 私が登山を休日の趣味として楽しむようになったのは、40歳台の後半であるから、このこともあって、50歳台の初めの頃でも、自分で言うのも何であるが、熟練した登山者とは言いがたかった。

 

 初めは初心者が良く登る箱根の金時山(標高1212m)等々、神奈川県にある日帰りコースで比較的登り易い山々を登っていた。一般的に低山は標高が低いこともあり、コースが土の場合が多い。このため 防水性、透湿性を兼ねそろえたゴアテックス素材で覆われた靴ではあるが、靴底は比較的に柔らかいクッション材としてウレタン素材(ポリウレタン樹脂)を張りあわせた、比較的安価な(安価と言っても、1万5千円以上はするが)靴を履いて登山を行っていた。またこれで十分であったように思う。

  しかし徐々に標高の高い山にチャレンジしたくなるのは、登山者の常である。
私もご他聞に漏れず、神奈川県外の標高の高い山を目指すようになっていった。
 標高の高い山は頂上が近くなると、硬い岩でできたコースが多くなり、靴底のクッション素材もウレタン素材(ポリウレタン樹脂)では柔らか過ぎるため、硬い圧縮ゴムを使用した靴底の登山靴が欲しくなってきた。靴底が柔らかいと硬い岩の上を歩いたときには、その硬さが足に響いてしまい、疲れやすくなる。逆に私からすると、土の上では、硬い靴底では逆に足に靴底の硬さが響いてしまい、疲れ易いような気がする。(ある程度慣れであるとも思われるが)このためにも厚手の靴下を登山時には履く必要がある、と理解している。

 元々登山靴はイタリアなどの欧米の国々の靴が多いようで、いまでもかなり輸入された登山靴が日本でも販売されている。
 しかし残念ながら、すべての靴が日本人の足型に合わせて作られている、とは思いがたい。一般的には日本人の足は、足幅がヨーロッパの人々よりも広い人が多い、と言われている。私もどちらかといえば足幅が広い足のようである。

 

  • 靴選びの失敗

 ここからが私が靴選びを失敗した状況の話になるが、その当時私はある登山専門のショップに行き、何足か靴を履き比べていた。岩山を想定した圧縮ゴムの靴底の購入を希望した上で、何足か試しに履き比べたのだが、正直なかなか足にフィットする靴に巡り合わなかった。

 

 靴は、常識的には足親指あたりに多少余裕があるほうが良い、とされているので、厚手の登山用靴下を履きながらも、多少大きめの靴を選び、尚且つ日本においては良く知られたイタリア製の靴を選んだ。しかしそのショップにあった靴で一番大きくても、その靴でもまだ親指あたりが窮屈に感じたため、0.5mm程大きい靴を取り寄せてもらった。

 その靴がショップに届いてから、試しに履いてみたが、親指あたりにはそれなりのスペースが確保されたため、その靴が良いように思われた。しかし通常履く靴に比べて、横が多少きついように感じられたが、その靴がよりフィット感を重視した設計のようにその時は思われ、その靴の購入を決めた。

 今思えば、その横が多少きつく感じたのが問題であったように思う。
登山靴以外の靴ではビジネス用の革靴、ジョギング用の靴等々を今まで何足も履いていたのであるが、通常おそらくは日本人の足型にあわせて設計をされているのが通常のためか、または多少靴が履いているうちに足にフィットしてくる等々の理由から、今まで足に合わなかった靴には出会ったことがなかった。 これが、靴選びに対して疑念を抱かなかった要因であったようにも思う。

  しかしそのイタリアの登山靴メーカーの名誉のため言うが、靴の機能は申し分がなかなかった。岩や大きな石が連なるようなガレ場を歩く時の安定感は、流石であった。今まで履いていたウレタンのソールを使用した靴とは大いに違いがあった。
 
 その登山靴を履くときは通常通り、登山用の靴下を履くのだが、歩いているうちに、特に山を下る時に小指にあたり、痛くなってくるのである。
 高額な靴を何とか履けるようにしなければ元が取れない、と思いさまざまな工夫をして、何とか履けるように以下のような工夫をした。

1.  足の甲部分の靴紐を緩める
    靴紐の足甲部分の紐を緩めた。一般的に言って、基本足型が適切であれば、この後部分の紐を緩めることで、多少対応ができるはずである。足首から上の靴紐がきつくして、足首が固定されているのであれば、歩いていて特に問題が生じないように思う。足の甲部分の靴紐からきつく締め上げると、履き心地がわるくなる場合も在るので、甲部分紐はあまり強く締め上げないほうが、良いように思う。
しかし、私が購入下登山靴の場合はかなり緩めても小指がまだ、靴の側面にあたって痛かった。
(余談)
   最近は足の甲と足首の境目あたりに金具が左右に取り付けられており、この金具で靴紐が固定できるようになっている登山靴がある。
この機能は大変便利である。この機能によって、足の甲部分の靴紐がちょうど良い具合に調整された後、この金具によって、甲部分の紐が緩まなくなるのである。最近はこの金具がついている登山靴が増えてきており、この金具付きの登山靴を、個人的にはお勧めである。

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                                          写真中央やや部分にある金具で
                                         足の甲部分の靴紐を固定できる。

2.   靴幅を広げるため木片を入れる
   靴の側面を広げようとして、足の前部分に布を詰め込み、その上から
木片を押し入れて、靴の横幅が広くなるようにして、数週間程放置した。しかし、登山靴は頑丈にできているのであろう。横幅は広がったようには到底思えなかった。

 

3. 靴中敷ソールの前部分をカット
靴の中敷ソールの前部分をカットして、中敷ソールを土踏まずと踵部分だけ残るようにして靴の中に挿入した。その後、半分の中敷ソールを挿入した靴で、歩いてみたが、幾分状況は改善されはしたものの、まだ小指が靴側面に触れる感触があった。

 

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                                          前足部分をカットし登山靴のインソール

4.  白靴下と足サポーターを組み合わせ
    次に登山用の靴下を薄手の白靴下に替えて靴を履き、足幅に余裕が生じるようにした。これは効果があった。しかし薄手故に足に直接響くようで履き心地が良くなかった。この状況から、薄手の白靴下の上から、足の前部分と足の踵部分が省略されている、足のサポーターを薄手の白靴下の上から履いた。これで最終的にこの登山靴は違和感なく履けるようになった。また足のサポーターは、土踏まずを持ち上げる効果もあり、履き心地も悪くなかった。

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                                                 白靴下と足サポーターの組み合わせ

 

このようにして、今では岩山に行くときには、この靴での登山に出かけている。
参考までに、足幅が広い私が履いた登山靴のなかで、比較的に足にフィットした
靴のサプライヤーは、以下の通り。

  • シリオ:イタリアメーカーのように思われるが、日本のサプライヤーである。高級靴はイタリアで製作されている。靴幅に余裕のある靴を出していることで有名
  • ダナー:米国の老舗メーカー。登山を始めた初期のころに比較的低価格の靴を履いたが、そのころに登った低山は完全にこの靴で対応できた。
  •  ラ スポルティバ:イタリアメーカー。TJAR(富山湾から駿河湾までの山岳コース(415km)を走りぬけるレースで何度も優勝している、望月将悟選手が履いていることでも有名。最近日本の登山者にもかなり人気が高い。

   最後に、登山靴を選ぶ時には、専門のショップの靴担当者の意見を聞くことが
非常に重要であるが、購入するかどうかを決めるは自分自身であるので、自分
で登山靴を履いたときの感覚が、より重要であることを認識されたし。
尚且つ、他の分野の靴に比べて、海外メーカーがそのまま日本に輸入した登山
は日本人の足型に合わない靴もあるので、購入時にはより注意を払う必要があると思われる。

 

                                                                                                                    香川 潤(記)