怖い話 2 自分の身体が下に見える
61歳のたわごとNo. 10
怖い話 2 自分の身体が下に見える
(60年とすこしの人生で、体験または聞いた怖い話)
これも私が自分の父母兄弟と実家に住んでいた50年以上前の話である。
私が小学校2年生のことであった。その日は何か体調が思わしくなかったように思う。明け方のことであった。ふと気が付くと、私が布団に包まって寝ているのが見える。
何故か、私は天井より多少下のあたりから、その様子を眺めているようである。ほんの数秒が経過したように思えた。その時、なぜか非常に怖くなってきて、自分が死んでいるような、奇妙な感覚にとらわれた。
その瞬間に、布団の中にいる自分に気が付いた。その日の朝、そのことを母親に伝えたのであるが、悪い夢でも見たのだろう、と言って当然取り合ってくれない。その日の晩母親は、一緒に寝るように私に言った。
香川 潤(記)