tawagoto9776Kayama’s diary

60歳から1年後に会社を退職し、登山、ジョギング、キャンプ、料理等々の執筆を始める。

山の小話3 北岳にて(登山をしているといろいろある)

61歳のたわごと No. 4
山の小話 3 (登山をしていると色々とある)
   いままで登山をしてきたなかで、おもしろい状況に出くわしたことがあるので、それをいくつか紹介したいと思う。(その時々の登場人物はそれどころではなかった、と想うのではあるが。)偶然ではあるが、今回登場する中心人物が皆女性であり、近ごろ女性は益々たくましい、と今更ながら思う。

  北岳頂上付近でテント泊をした時の出来事
  北岳は日本において富士山の次に高く、南アルプスにある標高3193mの山である。実質的には富士山の標高が3776mとかけ離れている上、標高2番目以下の山は、3番 奥穂高岳(北アルプス 標高3190m)間ノ岳(南アルプス 標高 3190m)、4番 槍ヶ岳(北アルプス 標高3180m)と日本の2番目以下の山々は標高において、接近している。

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                                                           北岳山頂(3193m)

 

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                            北岳山荘周辺(標高2900m付近)のテント設営場所

 

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          写真中央が、北岳山頂部(標高3193m)。山頂から下ったところに
            赤い屋根が確認できるが、これが北岳山荘(標高2900m付近)で、
            この小屋周りにテント設営場所がある。

 

   しかし標高3000mを超える山であることは紛れも無い。
このような高山においては、高温多湿の季節になると、午前中に晴れていても、午後になると急に雨がふることがある。しかも土砂降りとなることも珍しくない。

  その原理は以下のとおりである。
海(太平洋側)は気温が上がると、水面から多量の水蒸気を空気中に放出する。この水蒸気を多く含んだ空気がこの時期高気圧から低気圧に向けて流れる空気となり、具体的には山に向かう南寄りの風となる。山の裾野に沿って、水分を多く含んだ空気が駆け昇る。当然のことながら、標高が高くなると、気温が低くなる。気温が高いほど、空気中に存在できる水蒸気量が多くなるが、気温が下がると、空気中の水蒸気は、気体として存在できる限界を超える。そしてその水蒸気は、気体から液体に変化せざる終えなくなる。つまり雲に変化する。雲の中で水滴が重なり合うと、それが雨となって地上に降り出す。

  高温多湿の季節となる夏は、山では豪雨に見舞われることが結構ある。一般的には、午前中に高温多湿の風が吹き、山の裾野に沿って昇っていくので、午後に雨が降り出すことが比較的多い。

  従って高温多湿の季節となる夏は、山では豪雨に見舞われることが結構ある。一般的には、午前中に高温多湿の風が吹き、山の裾野に沿って昇っていくので、午後に雨が降り出すことが比較的多い。

   登山者の多くは標高の高い山を、夏の季節に登る。私も8月のある日に北岳山頂(3193m)に到達し、北岳山荘(標高2900m)近くのテント設営場所まで下ってきた。    
まだ時刻が昼の12時半ごろであったので、私は宿泊用のテントを設営して、目の前に広
がる周囲の見事な景色に見入っていた。また非常に天気が良かったので、近くにある、予定していた間ノ岳(3190m)まで行こうかどうか迷っていた。  
  迷った理由は前述の通りである。天気が急変して雨が降らないかどうか不安であったのである。やはり案の定15分もしないうちに雲が広がり雨が降り出し、しばらくして土砂降りとなった。
  私は自分のテントのなかで、横になっていた。外は稲光が閃光し、ものすごい音の雷が鳴っていた。標高が高い場所では、雷が下もしくは横から聞こえる場合が多い。その時は横から聞こえてきた。稲光も横で光っている。その時の雷はかなり近くで鳴っており、テントに落ちるのでないか、と恐怖を感じた。

 

  しばらくしで土砂降りの雨が、すこし小降りの雨に変わってきた。土砂降りは短時間であった。

  そのうちに私のテント設営場所の直ぐ近くから数人の登山者の声が聞こえてきた。どうも話を聞いていると、4名のグループが、北岳頂上からテント設営地に下ってくる途中、あの豪雨に遭遇し、2名と2名にはぐれてしまったようだった。2名は早くテント設営地に到着し、はぐれた2名を待っていたようであったが、雨が小降りになった時に、残りの2名が設営地に到着し、4名のグループは無事に対面を果たしたようだった。が、その時の会話が傑作であった。

 

「ひどい雨だったなー、死ぬかと思った。」

「そうだよ。おまえら死んだかと思ったよ。」

 

 すると後から到着した2名のうちの1名が男性で、1名が女性であることがわかった。

 

「ごめんなさい。途中雨がひどくなってきたので、安全そうな場所で、
雨宿りしたの。」

 

もしかしたら、後から到着した男女2名は、土砂降りの中、結構有意義な時間を過ごし、より親密になるきっかけになったのかもしれない ------------。等々 余計なことを想ってしまった。 (2013年8月15日~8月17日登山)

  

f:id:tawagoto9776Kayama:20180813091940j:plain                                                     南アルプスの北部の山々                               

 

(備考)
 参考までに、北岳に行くには、JT甲府駅から山梨交通バスで2時間程にて、北の麓にある広河原に到着し、広河原からの登山となる。一般的には初心者が登山する山ではない。

                                                                                                                  香川 潤(記)